ウォーフロント(War Front 2002年2月11日 - )は、アメリカ合衆国で生産・調教された競走馬・種牡馬。
現役時代はGI未勝利であったが、種牡馬として大きな成功を収め、「ダンジグ晩年の傑作」と呼ばれるまでに至った。
経歴
各競走の出典については競走成績の節を参照。
現役時代
2004年の年末にリチャード・ミグリオーレを鞍上にデビューするが7着に完敗。2歳時はこの1戦だけで、年明け1月にもう一走するがこちらも3着に敗北。
3戦目は夏の終わりの8月31日。騎手をホセ・サントスに代えて出走し、11馬身差を着けての初勝利を挙げた。その後、一般競走・リステッドを2連勝してディスカバリーハンデキャップ(G3)に挑戦するも6着。3歳シーズンは6戦3勝で終わる。
4歳シーズン年明けからミスタープロスペクターハンデキャップ(G3)・デピュティミニスターハンデキャップ(G2)・トムフールハンデキャップ(G2)とグレードレースを3戦するが、いずれも2着に終わる。更にアルフレッド・G・ヴァンダービルトハンデキャップ(G2)に出走。1番人気にこたえて逃げ切り勝ちを収める。
勢いに乗ってフォアゴーステークス・ヴォスバーグステークスと続けてG1に挑戦するもここでも2回連続の2着に終わる。そしてブリーダーズカップ・スプリントに挑むも勝ったソーズエコーから7馬身差を付けられての6着に完敗。これで現役を引退し、クレイボーンファームにて種牡馬入りすることとなった。初年度の種付け料は12500ドル。
競走成績
種牡馬時代
現役時代は「勝ちきれない馬」という印象が強く、馬体も小さかったことから、種牡馬入り当初の評価は高くなかった。初年度こそ75頭の産駒が生まれたが、3年後には41頭にまで減少。2016年には産駒の活躍で20万ドルにまで高騰する種付け料も、当時は1万ドルまで下げても交配馬を見つけることが難しかった。
2010年より産駒がデビューすると、初年度産駒の中からサマーソワレが2011年のデルマーオークスに勝利してG1初勝利。初年度産駒から3頭のG1馬が誕生。さらに2年目産駒のデクラレーションオブウォーが英G1を2勝する活躍でヨーロッパでもその価値が認められた。その後も多数のG1馬を輩出し、当初の12500ドルの20倍となる25万ドルで供用されている。後継種牡馬としてはザファクターが2016年から、デクラレーションオブウォーが2017年から産駒がデビューしており、両馬とも1年目からG1馬を送り出し、まずは順調なスタートを切っている。
主な産駒
パート1国のG1馬のみ
- 2008年産
- ザファクター(The Factor)- パットオブライエンステークス(米G1)7F・マリブステークス(米G1)7F
- サマーソワレ(Summer Soiree)- デルマーオークス (米G1)9F
- データリンク (Data Link) - メーカーズ46マイルSステークス (米G1)8F
- 2009年産
- デクラレーションオブウォー (Declaration of War) - クイーンアンステークス(英G1)8F・ インターナショナルステークス(英G1)10F56Y
- 2010年産
- ジャックミルトン (Jack Milton) - メーカーズ46マイルステークス(米G1)8F
- ラインズオブバトル (Lines of Battle) - 香港チャンピオンズ&チャターカップ(香港G1)12F
- 2011年産
- ウォーコマンド (War Command) - デューハーストステークス(英2歳G1)7F
- 2012年産
- アヴェンジ (Avenge) - ロデオドライブステークス(米G1)10F 2回
- ピースアンドウォー (Peace and War)- アルシバイアディーズステークス(米2歳牝G1)8.5F
- 2013年産
- エアフォースブルー (Air Force Blue)- 2015年カルティエ賞最優秀2歳牡馬・フェニックスステークス(愛G1)・ ナショナルステークス(英G1)6F・ デューハーストステークス(英G1)7F
- ヒットイットアボム (Hit It a Bomb) - BCジュヴェナイル・ターフ(米G1)8F
- アメリカンペイトリオット (American Patriot) - メーカーズ46マイルステークス(米G1)8F
- ウォーフラッグ (War Flag) - フラワーボウルステークス(米G1)10F
- 2014年産
- ローリーポーリー (Roly Poly) - ロートシルト賞(仏G1)1600m・サンチャリオットステークス(英G1)8F
- ブレイヴアンナ (Brave Anna)- チェヴァリーパークステークス(英2歳牝G1)6F
- ランカスターボマー (Lancaster Bomber)- タタソールズゴールドカップ(愛G1)10F110Y
- ホームズマン(Homesman) - アンダーウッドステークス、オーストラリアンカップ
- 2015年産
- ユーエスネイビーフラッグ (U S Navy Flag) - 2017年 カルティエ賞最優秀2歳牡馬・ミドルパークステークス(英G1)・ デューハーストステークス(英G1)6F・ジュライカップ(英GI)6F
- シビルユニオン(Civil Union)- フラワーボウルステークス(米G1)10F
- 2016年産
- オマハビーチ (Omaha Beach) - アーカンソーダービー(米G1)・マリブステークス(米G1)
- ウォーオブウィル(War of Will) - プリークネスステークス(米G1)
- ハラデイ(Halladay)- フォースターデイヴハンデキャップ(米G1)
- 2019年産
- アナポリス(Annapolis) - クールモアターフマイルステークス(米G1)
- フルカウントフェリシア(Full Count Felicia) - E.P.テイラーステークス(加G1)
血統表
母 Starry Dreamer はアメリカで31戦6勝。勝ちこそないもののG1時代のガゼルステークス(当時はガゼルハンデ)での2着を筆頭にグレードレースで6度の2着がある活躍馬。半兄 Ecclesiastic (父Tapit)・半妹 Teammate(父 A.P. Indy)もそれぞれグレードレースで2勝している。母父 Rubiano は現役時代 G1 3勝の活躍馬で種牡馬としては数頭のグループレース勝ち馬を出してそこそこの成功を収めた。代表産駒は米フューチュリティステークス勝ちの Burning Roma 。
脚注・出典
注釈
出典
レース結果の出典




