南小谷駅(みなみおたりえき)は、長野県北安曇郡小谷村大字千国乙にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・西日本旅客鉄道(JR西日本)大糸線の駅である。駅番号は「9」。事務管コードは▲510631。

概要

JR東日本が管轄する電化区間と、JR西日本が管轄する非電化区間との境界駅であり、在来線では唯一のJR東日本とJR西日本との境界駅である。

JR東日本長野支社が構内施設を保有し、駅業務等を担当している。

歴史

  • 1935年(昭和10年)11月29日:国有鉄道大糸南線の信濃森上駅 - 中土駅間開通に伴い一般駅として開業。
  • 1939年(昭和14年)
    • 4月21日:午前9時17分姫川右岸風張山が崩壊により当駅 - 信濃森上駅間が不通となる。
    • 8月7日:当駅を含む信濃森上駅 - 中土駅間の一般運輸営業を停止。宅扱貨物及び小口扱貨物による生活必需品の運送を同年11月30日まで自動車で代行。
  • 1940年(昭和15年)
    • 1月19日:同日より再び生活必需品の冬季代行運送を馬橇にて実施する。
    • 11月1日:信濃森上駅 - 当駅間が開通し、信濃森上駅 - 中土駅において一般運輸営業を再開する。
  • 1945年(昭和20年)7月15日:水害により信濃森上駅 - 中土駅間が被災。当駅以南が18日間、以北が20日間不通となる。
  • 1952年(昭和27年)7月1日:当駅 - 中土駅間において築堤が崩壊し、3か月間不通となる。
  • 1957年(昭和32年)
    • 8月15日:中土駅 - 小滝駅間が開通して全線開通し、所属路線名を大糸線と改称する。
    • この年:行き違い設備を設置。
  • 1962年(昭和37年)12月25日:千国駅が開業し、同時に当駅が千国駅の管理駅となる。
  • 1967年(昭和42年)
    • 5月19日:当駅 - 信濃森上駅間の電化着工。
    • 10月1日:営業範囲を改正し、旅客、手荷物、小荷物及び小口扱貨物を取扱う駅となる。
    • 12月20日:当駅 - 信濃森上駅間の電化、新宿駅 - 信濃森上駅間の急行列車及び松本駅 - 信濃森上駅間の列車の一部を当駅まで延長する。またこれに合せて、当駅駅舎の改築が竣工する。
    • 12月:駅舎改築。
  • 1968年(昭和43年)
    • 3月29日:当駅に中土方逸走防止乗越転轍機を設置する。
    • 12月:跨線橋設置、ホーム上屋増設。
  • 1971年(昭和46年)
    • 1月30日:営業範囲を改正し、小口扱貨物の取扱を廃止して旅客駅となる。
    • 9月15日:営業範囲を改正し、手荷物及び小荷物の配達取扱を廃止。
  • 1973年(昭和48年)12月25日:当駅に小谷村村営観光案内所を設置する。
  • 1982年(昭和57年)11月15日:当駅への特急「あずさ」の定期乗入れ開始。
  • 1983年(昭和58年)
    • 3月25日:大糸線全線において列車集中制御装置を導入。当駅が白馬大池駅、中土駅及び北小谷駅の管理駅となる。
    • 7月5日:当駅に自動券売機を2台導入する。
    • 12月14日:当駅への特急「しなの」の乗入れ開始。
  • 1984年(昭和59年)2月1日:営業範囲を改正し、荷物の取扱を廃止。
  • 1985年(昭和60年)7月17日:当駅の自動券売機1台を撤去する。
  • 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、JR東日本・JR西日本に継承され、当駅は大糸線の会社境界駅となる。
  • 1989年(平成元年)12月:駅舎を白色を基調として改装し、三角屋根の設置等を行う。
  • 1995年(平成7年)
    • 7月12日:当駅を含む白馬駅 - 根知駅間が集中豪雨(7.11水害)よる土砂崩れや橋梁の崩壊により不通となる。
    • 8月1日:白馬駅 - 当駅間が復旧。
  • 1996年(平成8年)1月16日:不通区間たる当駅 - 小滝駅間において1995年(平成7年)12月22日に国道148号が全線復旧したので代行バスの運行を開始する。
  • 1997年(平成9年)
    • 11月28日:同日夜を以て代行バスの運行を終了する。
    • 11月29日:当駅 - 小滝駅間の復旧工事が完了、営業再開。同日、当駅においてその記念式典を行う。
  • 2006年(平成18年)1月14日:当駅 - 糸魚川駅間に雪崩の危険ありとして同日より同年3月9日まで同区間の運休を行う。
  • 2010年(平成22年)8月11日:信州デスティネーションキャンペーンに合わせて駅舎の改装を行い、同日その完成式を挙行する。
  • 2014年(平成26年)
    • 11月22日:長野県神城断層地震により信濃大町駅 - 糸魚川駅間を23日まで運休。
    • 11月26日:当駅 - 平岩駅間復旧により営業再開。不通区間が白馬駅 - 当駅間となる。
    • 12月7日:白馬駅 - 当駅間の運転再開により全線が復旧。
  • 2025年(令和7年)3月15日:当駅の特急あずさの乗り入れを取りやめ。

駅構造

単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線を有する地上駅である。互いのホームは跨線橋(階段のみ)により連絡している。

糸魚川方面約600メートルにある上り場内信号機より北は西日本旅客鉄道北陸広域鉄道部(旧:糸魚川地域鉄道部)の管轄下となっており、東日本旅客鉄道と西日本旅客鉄道の社界を示す標柱が立てられている。架線が社界まで伸びていたが2024年時点で既にホームから見えるところまで短縮している。かつては当駅を越えて直通運行される列車の設定もあった。また2025年3月14日まで特急あずさが乗り入れていた。以降は普通列車と臨時快速リゾートビューふるさとのみ発着になっている。

駅舎は2010年(平成22年)8月に改装されたもので、外側は蔵造り建築をモチーフとしたなまこ壁となっており、待合室には畳敷きのスペースがある。また同スペースは冬季には炬燵が設置される。

JR東日本の駅としては直営駅であり、管理駅として白馬大池駅、千国駅を管理している。駅舎内にはJR東日本が営業するみどりの窓口が設置されている。冬季には除雪のため数名が増員される。当駅はインターネット予約サービスはえきねっとのみ受け取り可能。

のりば

利用状況

JR東日本によると、2023年度(令和5年度)の1日平均乗車人員は81人である。

1935年度(昭和10年度)以降の推移は以下のとおりである。

駅周辺

駅前に食品等を取扱う商店が存在する。

  • 小谷村役場
  • 南小谷郵便局
  • 小谷郷土館
  • 国道148号、雨中・月岡バイパス - 事業中
  • 松本糸魚川連絡道路(小谷道路) - 事業中
  • 姫川

バス路線

小谷村営バスの路線が運行されている。詳細は当該記事参照。

その他

  • 大糸線内の週末パスフリーエリアは、当駅までである。

隣の駅

東日本旅客鉄道(JR東日本)
■大糸線(松本方面)
千国駅 (10) - 南小谷駅 (9)
西日本旅客鉄道(JR西日本)
■大糸線(糸魚川方面)
南小谷駅 - 中土駅

脚注

記事本文

注釈

出典

報道発表資料

新聞記事

利用状況

長野県統計書の1935年 - 1999年の乗車人員
JR東日本の2000年以降の乗車人員

関連項目

  • 日本の鉄道駅一覧

外部リンク

  • 駅の情報(南小谷駅):JR東日本
  • 南小谷駅|駅情報:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道

JR大糸線 南小谷駅~北小谷駅 前面展望 YouTube

【JR東西境界】南小谷駅ってどんな駅? YouTube

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南小谷駅(JR東日本/JR西日本) 日本の旅・鉄道見聞録