国鉄タキ2100形貨車(こくてつタキ2100がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車(タンク車)である。

概要

本形式は、石油類(除ガソリン)専用の30t 積タンク車として1951年(昭和26年)12月26日から1971年(昭和46年)12月8日にかけて682両(タキ2100 - タキ2499、タキ12100 - タキ12197、タキ22100 - タキ22247、タキ22300 - タキ22332、タキ32100 - タキ32102)が飯野重工業、川崎車輛、富士重工業、日立製作所、新潟鐵工所、帝國車輛工業、汽車製造、東急車輛製造、三菱重工業の9社にて製作された。この内タキ22300 - タキ22332はタキ3000形からの専用種別変更(ガソリン→石油類)改造編入車である。

本形式の他に石油類を専用種別とする貨車はタ600形(270両)、タサ1形(208両)、タキ1500形(902両)、タキ9800形(496両)、タキ45000形(589両)等実に33形式が存在した。

1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「31」(燃焼性の物質、引火性液体、 危険性度合2(中))が標記された。

落成時の所有者はゼネラル物産、出光興産、日本石油、三菱石油、日本石油運送(その後日本石油輸送へ社名変更)、日本漁網船具、シェル石油、歴世砿油、丸善海運、昭和石油、アジア石油、日本陸運産業の12社であった。

タンク体は、普通鋼(一般構造用圧延鋼材、SS41現在のSS400)製で車端部のタンク鏡板には点検用ハッチと、荷役のための加熱管を装備している(一部の車両は断熱材を巻き、キセ(外板)を装備した)。荷役方式はタンク上部のマンホール又は液出入管からの上入れ、液出管と空気管使用による下出し方式である。

その後本形式より多数の車が種車となり他形式へ改造された。

車体色は黒色、寸法関係は全長は12,400mm、全幅は2,518mm、全高は3,826mm、軸距は7,900mm、実容積は33.7m3 - 37.5m3、自重は11.5t - 18.8t、換算両数は積車4.5、空車2.0であり、台車はベッテンドルフ式のTR41Cである。

1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には143両の車籍がJR貨物に継承されたが、最後まで在籍した1両(タキ12195)が2002年(平成14年)3月に廃車となり同時に形式消滅となった。

参考文献

  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

脚注

関連項目

  • 国鉄の車両形式一覧

JR貨物タキ1000形貨車 タキ1000891 安善駅 鉄道フォト・写真 by さんたかさん レイルラボ(RailLab)

16番 国鉄 タキ2100 石油類専用タンク車 組立キット

JR貨物タキ1000形貨車 徹底ガイド レイルラボ(RailLab)

私有貨車 タキ25000形 (日本石油輸送) (鉄道模型) 画像一覧

JR貨物タキ1000形貨車 タキ112313 糸魚川駅 (えちごトキめき鉄道) 鉄道フォト・写真 by 丹波篠山さん レイルラボ(RailLab)